Author Archives: 高橋徹

 

おたる水族館では春から秋の間、アザラシたちを海とつながっている「アザラシプール」で飼育しています。

 

 

ですが、冬は大荒れの日本海。

 

動画↓

https://youtu.be/61vlc7ZCSTY

 

そのまま飼育していたら、アザラシたちに危険が及びます。

 

 

冬の間は高台のプール、通称「越冬プール」で飼育しています。

 

移動の様子↓

https://youtu.be/WZkKzIrQuo0

 

 

その越冬プールは普段生活しているアザラシプールとは環境が違います。

 

アザラシプールは

・潮位(水深)が常に変化する(干潮・満潮)。

・波がある。

・野生生物が入ってくる(魚・ヒトデ・カニなど)。 etc…

と、変化に富んでいますが、越冬プールは人工的な作りです。

 

そこで、少しでも自然の状態に近づけて、アザラシたちに変化に富んだ生活を送ってもらおうと、曜日により餌の量を変えるなど行ってきました。

そして、今年新たに行った試みがあります。

 

それは、水深の変動。

 

え?そんなこと?と思われてしまうかもしれませんが、水深が変動しただけで

アザラシにとっては環境が変わるため、行動にも変化があるはずです。

 

用意したのはコチラ。

 

高さの違う配管です。

これは越冬プールの排水管なのですが、この排水管の長さが越冬プールの水深になります。

これまでは一種類だけで水深は常に約1mだったのですが、もう一種類これまでよりも短くしたものを用意しました。この配管を使ったときの水深は約55㎝です。

 

目的としては「アザラシたちの生活環境に変化をつけたい」ということなのですが、短い配管を使用した時の予想としては水深が浅くて陸場までの高さが大きいので、上陸時に勢いが必要だから「運動量(筋力)が増加するだろうなー」程度に考えていました。

 

実際に行ってみると、予想通り水深が浅くて陸場までの高さが大きい方が、上陸する時の勢いが強く、これまでよりも筋力を使っているように見えました。

しかし水深が深くて陸場までの高さが低い場合だと、アザラシたちが柵の外など何か気になった時、高い位置から確認しようとすぐに上陸できるので、短時間で頻繁に上陸したり水に入ったりしている姿が見られました。

上陸するのに体力が必要だとちょっと気になったくらいでは上陸しないのかも知れません。

意外と陸場までの高さが低い方が運動量は多いのでしょうか?

 

今回の試みで、考えてもみなかった姿を知ることができました。

 

もっと長期的に観察しないとわからない部分が多いと思うのですが、とりあえずはアザラシたちの行動に変化が見られたため、水深を変更するだけでもアザラシたちにとっては環境に変化が起こったと感じてもらえたのではないかと考えています。

 

その時の様子がコチラです↓

 

 

おたる水族館ではこれからも飼育している生きものたちが、より活発に活き活きと生活できるような試みを行っていきたいと考えています。

また新しい試みを行う時にはご報告します。

 

【海獣飼育課 髙橋】

 

セイウチの子供ですが、

今日なんと!

 

 

 

 

なんと!!

 

 

なんと!!!

 

 

なんと!!!!

 

 

なんと!!!!!

 

 

なんと!!!!!!

 

自分で水から上陸できるようになりました!!!

 

 

これで、ウーリャも一安心!

【海獣飼育課 髙橋】

 

 

5月4日に生まれたセイウチの子供ですが、

ここ数日は泳ぎの練習を始めています(コーチはお母さんのウーリャ)。

 

 

 

バシャバシャ!

 

 

 

プハー

 

時には潜ることさえあるくらい、泳ぐことになれてきたようです。

 

子供の成長は早いですね!

【海獣飼育課 高橋】

 

 

生まれて3日目のセイウチの子供は、元気にしています!

 

色々なことに興味がわいてきている様子で、

お母さんのウーリャの餌やりの時には・・・・・

「何してるの?」

といった感じで、ウーリャと一緒に近づいてきます。

なににでも興味を持つ頃なんですね。

 

ただ、よく動いているので・・・

ブレブレの写真ばかりになってしまいます。

 

 

こんな感じですが、定期的にセイウチの子供の様子をお伝えしますね。

 

 

今日のあざとい一枚

【海獣飼育課 高橋】

私はこの花を見ると

「春だな~」

と感じる花があります。

エゾエンゴサク

 

例年4月の中旬頃に咲き始めるので、私の中では春の風物詩です。

まだ咲き始めですが、海獣公園へ向かう途中で見つけることができます。

このあたりです。

 

海獣公園へお越しの際は、

ぜひエゾエンゴサクを探してみてくださいね。

【海獣飼育課 高橋】

 

 

北と南にすむ魚たち⑤水槽には普段ホッケだけの展示なのですが

漁師さんから年末に数種類の魚を頂きましたので、

年が明けて2種類の魚たちを追加展示しました。

 

 

そのうち1種類がオニカジカです。

 

水槽に5尾いるのですが、岩に擬態するのが得意で見つけるのが大変です。

 

 

 

突然ですがクイズです。

下の写真の中にオニカジカは何匹いるでしょうか?

 

 

 

難しいですよね?

少し拡大してみましょう。

 

 

いかがですか?わかりましたか?

 

 

 

正解は・・・・

2尾でした!

 

 

 

もう一度最初の写真を見てみましょう。

これでは

ここです。

 

 

あらためてオニカジカの擬態はすごいなって思います。

こうやって海の中で外敵に見つからないようにしているんでしょうね。

 

 

ちなみに追加展示したもう一種は

高級かまぼこの材料にもなっている、ナガヅカです。

 

こちらは1尾の展示ですので、

オニカジカ同様、見つけるのが難しいですよ。

 

 

冬期営業では、この2種類の魚たちをぜひ探してみてくださいね。

【魚類飼育課 髙橋】

11月11日にサケの卵が発眼したことをお伝えしましたが、

 

 

 

ふ化しました!

 

 

多くの子供たちは同じところに密集しています。

 

 

 

動画でも撮影しましたのでご覧ください。

 

 

 

 

水槽の中で繋がれた命は

12月12日スタートの冬期営業でご覧いただく予定です。

現在、絶賛準備中です!

 

【魚類飼育課 髙橋】

 

 

YouTube おたる水族館_公式チャンネル をご覧の方はご存じかと思いますが

11月6日に今シーズン初めてのホッケの繁殖(産卵・放精)がありました!

 

 

 

しかも、ライブ配信で決定的瞬間もご覧いただけました。

↓こちらは産卵・放精の瞬間を切り取った動画です。

 

 

 

ホッケはふ化するまで、オスが卵を保護するのですが

↓卵を保護するホッケ

 

 

 

今回は育成のため、バックヤードへ移動して保管しています。

 

 

 

そして今日、また水槽の中が騒がしいなぁ・・・

 

 

 

と思っていると

新たに卵が見つかりました!

 

もしかしたらすでに ご覧になったお客様もいるかもしれませんね。

 

今回もそのうち 育成のためにバックヤードへ移動しようと思っているのですが

しばらくはオスに頑張ってもらおうかな?

 

 

あ! 卵といえば

先日お伝えしたサケの卵ですが・・・

 

 

 

まだ確信が持てないのですが、発眼(卵の中で眼ができること)したようです。

う~ん。

もう少し、様子を見てまたお伝えいたしますね。

 

追伸:今日は「鮭の日」です。

 

【魚類飼育課 髙橋】

10月15日から展示していたサケたちは

水槽内で産卵して、ペア(メスだけ)を変えて飼育を継続していましたが、

10月30日の朝には2尾とも活動が弱くなっていたため、展示を終了しました。

 

その後、人工授精も試みましたが

卵も精子も良い時期を過ぎていたようで受精はできませんでした。

 

ですが最初のペアが残した卵はバックヤードで保管しています。

こちらも受精率は低かったのですが、ご覧の数は受精しているようです。

 

予定では11月9日頃には卵の中に眼が見える(発眼)かと思いますので、

その時にはまたお知らせしますね。

 

楽しみです!

【魚類飼育課 髙橋】

最近、気になっている魚がいます。

北と南にすむ魚たち水槽⑥番水槽にいる

 

 

この魚

 

 

 

ちょっとしか見えていませんが、サメガレイです。

 

 

何が気になるかといいますと・・・・・

お?

おお!

体半分の色がくっきり違います。

 

 

カレイ・ヒラメのお腹側を「無眼側(むがんそく)」

背中側を「有眼側(ゆうがんそく)」と言います。

初めのうちは無眼側だけがこうなのかと思いきや・・・・

 

 

有眼側も体半分の色がくっきりと分かれています。

 

 

もちろん、すべてのサメガレイがこうなのではなく・・・

他のサメガレイはご覧の通りです!

 

この体半分の色が違うサメガレイは、

15:00頃からガラス付近へやってくることが多いので

ご来館の際は、ぜひ探してみてください!

 

 

 

 

 

 

お待ちしています。

【魚類飼育課 髙橋】

6月16日はナマコ漁の解禁日 です。

「旬のおいし槽」では解禁日に合わせて、本日(6月16日)より

マナマコの展示を始めています。

 

すると解禁日の今日!

地元、祝津の漁師さんがクリーム色のマナマコを持って来てくれました!

 

淡い美しい色をしていますね!

 

 

ちなみに一昨年に別の漁師さんから頂いた、白いナマコも展示しています。

 

変わった色のナマコばかりをご紹介していますが・・・・

この色がスタンダードなマナマコの色ですよ。

 

【魚類飼育課 高橋】

本日(10/15)、海獣公園の海岸で不思議なものを見つけました。

 

 

 

調べてみると ギンカクラゲ

クラゲの仲間です。

あまり毒は強くないとの事ですが、肌の弱い方は注意が必要ですね。

暖かい地域に生息しているクラゲで、北海道には2007年くらいから確認されているようです。

 

 

 

 

先日は、サケの定置網にアオリイカが入っていました。

 

 

 

コチラも暖かい地域で生息しているイカです。

秋になると海流の影響で北海道に様々な生きものが南の海からやってきます。

 

ですが北海道はこれからドンドンと水温が下がってきますので、

彼らは耐えられず死んでしまいます。

「季節来遊」や「無効分散」と呼ばれます。

 

 

 

季節来遊は自然界で毎年起こっています。

少し気の毒な気もしますが、普段見ることのできない生きものが

北海道の海で見られるのも、この時期ならではの楽しみでもあります。

【魚類飼育課 高橋】

 

 

北と南にすむ魚たち④番水槽を点検していると

今日もミズダコが元気に泳ぎ回っています!

 

 

さらに水槽を観察していると・・・

北海道では「つぶ」と呼ばれ、

海水浴場などで焼いて食べられている「ヒメエゾボラ」も展示しているのですが、

イソギンチャクがくっついていました。

 

「自分よりも移動能力が高い生き物に付着して、生息範囲を広げようとしているのかなぁ・・?」

などと想像しながら観察を続けると、

 

「あ!またいた。」

 

ん?

 

 

 

・・・ん?

これ、実は卵の塊「卵塊(らんかい)」なのです。

 

 

ヒメエゾボラは卵の入った「卵嚢(らんのう)」を らせん状に産み付けます。

産卵が終わった後の卵塊は円すい状になっていますので、これはまだ産卵中です。

 

※産卵後の卵嚢はこんな感じです。

 

これまで観察してきた経験では、

ヒメエゾボラの産卵は1~3日かかります。

 

本日(5月11日)に見つけましたので、明日(12日)も産卵中かも知れません。

また、産卵が終了していたら新しい卵塊があるはずですので

しばらく見守ってみようと思います。

 

【魚類飼育課 高橋】

 

今日(3月7日)に地元の漁師さんにお願いして

「ニシンの刺し網漁」に同行させていただきました!

 

今年の小樽は私が把握しているだけで

既に3回の「群来」が起こっています。

※群来とはニシンの産卵・放精により海が白く濁る現象です。

 

まだ一度も群来をまともに見たことがない私は、

「今日、船から群来が見れるかも?」

と期待していたのですが・・・・

 

漁師さん「今日は外海がかなりうねってるから中止かなぁ?」

というような状況でした。

 

私「無理はできないですからね。こちらには気を使わなくて大丈夫ですよ!」

と言いながらも

内心「出て欲しい!」と思っていました。

 

しばらく様子をみていると

漁師さん「よし!行くか!」

私「はい!(安堵)」

 

移動中、船が波でかなり跳ねます・・・

 

今回は採集目的の同行ではなく、あくまでニシン漁の見学です。

小樽を代表する魚であるニシンの刺し網漁を見学するのは

私たちにとってはとても勉強になります。

 

天気が良くて、たくさん採れそうな予感です!

 

 

さっそく漁場に到着し、巻き上げ開始です。

 

漁師さん「今日は駄目だなぁ・・・」

と仰っていましたが

 

きました!

 

私「大きいですね!」

漁師さん「今日は網目が大きめだから、小さいのはかからないんだよ」

 

狙うニシンのサイズによって網の目の大きさを変えているのだそうです。

 

漁師さん「ニシンの刺し網漁は今月の25日までなんで、

そろそろ終わりだから採れなくなってきてるんだよ。」

 

 

明日の漁のために、同じ場所に新たな網を入れます。

網の巻き上げから、新しい網を刺すまでの一連の流れに

無駄な動きは一切ありません。

下準備の丁寧さと、チームワークの良さが際立ちます。

今日の網は4ヵ所でしたが、そのすべてが同じようにスムーズでした。

 

そんな漁師さんの仕事ぶりに感動しながらも

 

あ!結局今日は群来が起こらなかったなぁ・・

と思いだします。

 

私「群来を見てみたいんですよー」

漁師さん「今年、もう一回くらいありそうだけどな!」

 

今回お世話になった漁師さんの番屋の目の前では

去年の3月13日に群来が起こっているのです。

 

私「群来を見たら教えてくださいね!」

漁師さん「わかったよー」

 

そんなやりとりを終えたころには港に到着しました。

私「ありがとうございました!」

漁師さん「またこいよー!」

 

爽やかなやり取りをして

約10年ぶりの船酔いに襲われた体で港を後にしたのでした・・・・。

【魚類飼育課 高橋】

 

先日、道南(北海道の南側)「八雲町」の漁師さんから

魚をいただきました。

本日(12月20日)より展示していますので

ご紹介いたします!

 

 

まずは、この魚

エゾイソアイナメ

 

北海道では「どんこ」と呼ばれています。

ふつう水深200mほどの砂地に生息していますが

時には水深数mという浅い場所にもやってきます。

 

 

北海道ではあまり食用にはなっていないようですが

冬期のものは、干物や鍋で食べると美味しいらしいです。

 

 

展示場所は

北と南にすむ魚たち⑥番水槽です。

 

 

暗い場所が好きなようで、水槽の奥や端の方にいることが

多いです。ぜひ探してみてください。

 

ちなみに、

オホーツク海・ベーリング海水槽には

「エゾアイナメ」

という魚がいますが、別の魚ですのであしからず。

 

 

もう一種は

この魚!

エゾクサウオ

 

潮間帯から水深100mほどに生息しています。

ほぼ食べられていない魚ですが、

ずんぐりした体形が何ともいえません!

 

展示場所は、

本館2階「北海道の海」ゾーンです。

フサギンポと一緒に展示しています。

フサギンポがエゾクサウオを見つめています。

気になるのでしょうね・・・・。

 

道南からやってきた2種を

どうぞご覧ください!

【魚類飼育課 高橋】

 

先日お伝えした

メガネカスベのこどもたちですが ⇒コチラ

すぐに餌も食べ、元気にしていました!

 

オキアミを良く食べるため

オレンジ色のウンチをします。

しかも、くるくるとした形のウンチです。

 

エイの仲間は「らせん腸」と呼ばれる

らせん状の消化器官をもっているため

ウンチもこんな形で出てくるのです。

写真ではよくわからないですね。

 

そんなメガネカスベのこどもたちを

展示する事になりました!

 

場所は

「本館1階 旬のおいし槽」

です!

 

なかなか見る機会のないメガネカスベのこどもを

ぜひご覧ください!

※ウンがよければ、らせん状のウンチもご覧いただけます。

【魚類飼育課 高橋】

 

お客様はいらっしゃらない閉館中でも

水槽内の魚たちのチェックは欠かせません。

 

そんな通常営業終了2日後の11月27日朝

いつものように水槽を点検していると

「北と南にすむ魚たち」⑥水槽に、小さな魚を発見して急いで取り上げました!

思わず

「かっ、かわいい!」

と、いい年したおじさんの私がつぶやくほど可愛らしいメガネカスベでした。

 

これは、春に漁師さんの船に乗せて頂いた時に卵の状態で入手し、

この水槽で展示していたものです。

展示中の様子は コチラ

 

裏側もこの通り!

やっぱりかわいいですね。

 

バックヤードの水槽で飼育していましたが、

本日(28日)の朝にもう1尾いました!

 

 

こうなると我慢できません!

卵の中にはまだいるのではないか????

と、卵をとりあげて中を確認しました!

 

 

 

あ!

いました!

※この我慢できずに卵の中を確認する行動ですが、

過去に同じことをした先輩がいるので(笑)

メガネカスベに影響がないことを確認しております!

 

現在は、3尾ともバックヤードで飼育中です。

まだエサを食べていませんので何とも言えませんが、

展示してお客様にご覧頂ければと思っています!

 

なんだか楽しみです!

【魚類飼育課 高橋】

 

ここ数日、おたる水族館の飼育員は

漁師さんの船に乗せていただき、

一緒に漁へ行き

採れた魚をいただく「乗船採集」に行っています。

 

 

狙いは

「海のパノラマ回遊水槽」の

 

サバです。

 

漁の朝は早いです。

やっと太陽が見え始めたころに出港!

 

眠い目をこすりながらも

美しい朝焼けにちょっと感動。

 

今日は初の乗船採集の飼育員が!

イルカスタジアムの紅一点

鈴木飼育員です。

 

漁師さんたちはいつも和やかで

「和気あいあい」としているのですが、

今日はいつもの1.3倍は「和気あいあい」

していたような・・・・

 

鈴木飼育員は一生懸命

漁師さんたちと一緒に網を引っ張っていました。

 

海水温よりも気温が低い時に発生する

「気嵐(けあらし)」が出るくらい寒い中でしたが

初乗船採集、お疲れ様でした!

 

採集できた生きものは

サバだけでなく

フクラギ(小ぶりなブリ)

ガザミがあり

 

「旬コーナー」や

「北と南にすむ魚たち⑥水槽」でも

展示しています!

 

乗船採集はもう少し続きます。

【魚類飼育課 高橋】

 

昨日(11月3日)

寿都町の漁師さんから魚をいただきました。

 

 

それがこちら

70㎝くらいのオオクチイシナギです。

九州以北、北太平洋に分布し水深400~600mに生息する魚で

 

漁師さんいわく「こんなサイズは本当に久しぶりだよ」

との事でした。

 

大きくなると2mを超えるといわれていて

飼育が楽しみな魚です。

 

 

いただく時に

私「やんちゃな顔してますね。」

 

漁師さん

「でもコイツ大人しいんですよ。

我々は『おうよう』って呼んでるくらいですもん。」

 

私「え?」

 

漁師さん

「おっとりしてたり、ゆっくりしている人のこと

『おうよう』って言うでしょ?」

 

私「はじめて知りました・・・」

 

というようなやりとりがありました。

 

調べてみると・・・・

鷹揚(おうよう)

鷹が大空をゆうゆうと飛ぶさまから、ゆったりと振る舞うことや、

余裕があって小さなことにこだわらない。

という意味なのですね。

 

東北以北ではオオクチイシナギのことを

「おおよ」「およ」「おうよ」

などと呼んでいるようです。

 

勉強になりました。

 

でもやんちゃな顔をしてると思いませんか?

 

昔はもっとオオクチイシナギが採れていて、

釣りもしていたそうです。

 

漁師さん

「まずガヤ(エゾメバル)を釣って、

 ガヤをそのまま餌にして『おうよう』を釣るんです。」

 

ガヤ(エゾメバル)は20~30㎝くらいの魚です。

それをそのまま餌にして釣るのですから、

名前の通りの「大きな口(オオクチ)」ですね。

 

 

そんなオオクチイシナギは

本館1階「オホーツク海・ベーリング海」水槽で展示しています。

オオクチイシナギは鷹揚に飼育しようと思います。

 

【魚類飼育課 高橋】

 

気がつけば秋ですね。

秋といえば「食欲の秋」!

 

 

「旬のおいし槽」では今月、小樽で解禁になった

シャコ

を展示しています。

 

 

秋のシャコは産卵や脱皮が終了し

身がしっかりして美味しいといわれています。

そして

 

「これからもっと美味しくなる」

 

と、シャコをいただいた漁師さんがおっしゃっていました。

展示中のシャコは小樽産ですよ。

 

 

11月10・11日には、

小樽市内で「第11回 小樽しゃこ祭り」が開催されますので、

・シャコを見に「おたる水族館」

・シャコを食べに「しゃこ祭り」 はいかがでしょう?

 

しゃこ祭りについて、詳しくはコチラ↓

https://www.city.otaru.lg.jp/jigyo/sangyo/otarusuisan/event/syakomaturi.html

 

 

 

また、10月24日からは

サケ

も展示しています。

 

今年は全道的にサイズが小さいと報道されていますが

大海原を旅してきたサケは風格があると思います。

サケは「オホーツク・ベーリング海」水槽で展示しています。

 

 

さらに、

サケには通称「サケジラミ」という

寄生虫がついていることが多く、

展示中のサケにもついていましたので

サケジラミのアルコール標本も展示してみました。

 

こちらもオホーツク海・ベーリング海水槽前で

展示していますので、興味のある方はぜひ!

 

【魚類飼育課 高橋】

 

タコが岩穴などの暗い場所を好む習性を利用したのが

「たこ箱漁」です。

たこ箱を海底に沈めて

中に入ったタコを水揚げする漁法です。

 

今回はたこ箱を改造して、

ミズダコが自由に出入りできて

中に入っても観察できるようにしたものを用意しました。

 

10月5日

水槽にたこ箱を入れました。

 

 

 

 

早速ミズダコが近づいてきました。

 

 

 

恐る恐る足を一本だけ入れて確認しているようです。

どれどれ?

 

 

 

 

なにこれ!やーだよ!

といった感じでです・・・

 

 

ところが次の日。

 

 

「あ!入ってる!」

 

 

 

 

 

 

エゾメバルが・・・

「君じゃないよ・・・」

 

 

 

それから

いくら待ってもミズダコはたこ箱には入ってくれません。

「やっぱり嫌なのかな?」

 

 

ところが

10月13日

 

 

 

 

 

 

たこ箱を入れてから9日目の朝に入っていました!

 

居心地がいいようで

10月14日も1日中たこ箱に入ったままです。

 

入るまでは用心深く観察していたようですが、

一度入るとなかなか出てこないみたいですね。

 

今度は「いつ出てくるか?」

楽しみです!

 

※追記

10月15日の朝には外に出ていて、お昼前にはまた入っていました!

自由に出入りしているようです。

【魚類飼育課 高橋】

 

一度産卵が確認されてから

少し静かになったとお伝えした

「北と南にすむ魚たち」⑤水槽ですが

 

今朝(9月14日)オスが一ヶ所にとどまり

他の魚が近づいてきた時には追い払い

一定間隔で、岩の隙間に頭を入れている行動が見られ

 

もしや?

 

と思い、岩の後ろを覗いてみると!

 

卵がありました!

(写真がボケていて申し訳ありません)

 

卵はひと粒2.5㎜前後で、塊で産み付けます。

色は黄金色かやや茶色です。

 

オスのこの行動は、外敵から卵を守り

口を使って新鮮な海水を卵に送っている行動です。

 

しかも、

岩に隠れて見えませんが、

少し横の別の場所にも海水を送り込んでいるようです。

 

もう一つ卵があるのかもしれませんね。

 

 

しばらくは、

ホッケの「イクメン」っぷりが見られそうです!

 

※卵にふ化の兆候が見られたら、

取り上げてバックヤードで育成予定です。

 

【魚類飼育課 高橋】

 

 

つい先日、

ホッケの繁殖期についてお伝えしましたが → こちら

 

今朝(9月12日)、

水槽内に卵を確認しました!

 

ホッケは、ひと粒2.5㎜前後の卵を塊で産み付けます。

その後、オスが口で卵に新鮮な海水を吹きかけたり、

外敵から守ったりと献身的に世話をします。

 

そんな頑張るオスの姿を水槽内でご覧いただける!

 

 

と思いきや・・・

 

 

今回は卵が産卵場所から流れてしまったようで、

水槽の底に落ちており

どのオスも世話をしている様子がありませんでした。

そのため、

私たち飼育員がバックヤードで保管する事にしました。

 

オスのホッケのように新鮮な海水を送り込むため、

手作りのふ化装置を使用しています。

 

卵がなくなった水槽は

相変わらず縄張り争いで騒がしいのかと思いきや・・・

なんだか静かです。

 

もしかすると成熟の早かったメスをめぐって

オスたちが熾烈な争いをしていたのかもしれません。

 

もう少しして別のメスが成熟し始めると

また騒がしくなるのでしょうか・・・?

 

ホッケの繁殖期はこれからが最盛期です。

この水槽からはまだまだ目が離せません!

 

【魚類飼育課 高橋】

 

 

秋~冬がホッケの繁殖シーズンです。

 

以前もお伝えした時は → こちら

繁殖期のオスにだけ現れる「婚姻色」がはっきりしていませんでしたが、

現在はしっかりとした婚姻色が出ています。

 

 

頭部と尾鰭の先に「婚姻斑」という黒っぽい模様が出現し、

体全体が白っぽくなっています。

 

 

メスを誘って産卵してもらうため、

産卵場所として条件の良い岩場などを縄張りとします。

 

そのため、縄張りに近づくオスを排除しようと縄張り争いが多発します。

 

 

 

 

 

にらみ合いも・・・・

 

 

撮影中、こちらにも攻撃してきそうな勢いです・・・

なんだか睨まれているような・・・

 

 

この先、無事にお相手が見つかりメスの産卵が終了しても

オスは卵の世話で忙しく、今度は卵を守ります。

 

婚姻色や縄張り争いは今年いっぱいの期間限定ですよ。

※年が明けても続くことがあります。

 

【魚類飼育課 高橋】

 

「守りたい北海道の自然コーナー」で

今年誕生した2種類の生きものを展示しています。

 

はじめは

 

3㎝ほどの小さな魚です。

わかりますか?

 

日本最大の淡水魚「イトウ」です。

 

漢字表記が「魚へんに鬼」と書くほど勇猛で

1mを超えるイトウも稚魚の頃はこんなに小さいのです。

 

身を守ろうと枝の隙間などに身をひそめています。

自然界でふ化した野生のイトウも同じように生活しているのでしょうね。

 

 

イトウの他にも

おたる水族館で繁殖したキタサンショウウオの展示を開始しました。

以前フェイスブックで、産卵シーンをご紹介しましたが → 動画はこちら

 

その時の卵たちが、立派に成長しました!

 

見た目は親とほぼ同じで、

写真で見てもそのサイズ感は伝わりにくいかと思いますので

ぜひ実際にご覧になって頂ければと思います。

 

2種とも大きく成長して欲しいです!

【魚類飼育課 高橋】

 

毎日暑いですね。

生まれも育ちも小樽の私は、

30℃を超えるような暑さでバテています・・・。

 

そんな夏真っ盛りの中、

「北と南にすむ魚たち②水槽」のサクラマスに

ちょっとした変化が起こっています。

体に桜色の婚姻色が浮びあがっていますね。

 

サクラマスは秋が繁殖シーズンです。

私は暑い!夏だ!とばかり思っていましたが、

サクラマスは まもなくやってくる秋を感じとって成熟し始めています。

 

着実に秋は近づいているのですね。

 

ちなみに

繁殖シーズン以外のサクラマスはこんな感じです。

体全体が銀色に輝いています。

 

 

 

繁殖シーズンといえば

「北と南にすむ魚たち⑤水槽」でも

繁殖シーズン到来を感じさせる変化が起こり始めています。

 

ホッケのオスが一定の場所から動かなくなり始めていて

他のオスが近づくと・・

 

追い払って、また元の場所に戻ります。

 

 

これは繁殖に適した場所を縄張りにして、

メスを誘って産卵してもらうためです。

ホッケの繁殖シーズンは秋~冬にかけてです。

 

これからもっと縄張り争いは激しくなり、

オスの体は繁殖期特有の婚姻色に変化します。

 

少し婚姻色が出始めていますが、まだはっきりとはしていませんので

また次の機会にご紹介しますね。

 

【魚類飼育課 高橋】

 

本館1階「旬のおいし槽」に新しく仲間入りした魚がいます!

 

それがこちら!

青い魚です。

 

 

 

この魚はホッケの稚魚なんです!

おたる水族館の水槽で繁殖した卵を育てました。

 

ホッケは稚魚の時には、このように青い色をしています。

 

稚魚は海面を回遊していて、外敵から見つかりにくいように

保護色として青い色をしていると考えられます。

体の色と、稚魚→「子供・若い」というイメージから

「アオボッケ」 と呼ばれます。

 

移動前は泳いでいることが多かったのに、底でじっとしていたので

昨日(7月28日)おいし槽へ移動したばかりですので

環境になじめていないのかもしれません。

 

「昨日の今日だし餌は食べないよなぁ・・・」

と思いながら、餌の冷凍イサザアミを水槽へ入れてみると・・・

活発に泳ぎ出し、食べ始めました。

 

餌だ!餌だ!

 

砂が舞い上がるほどの勢いです。

ひと安心!

 

そしてこの表情?

 

今回はふ化した中で1尾しか育てることができず、

展示しているのもその1尾です。

 

そのため、アオボッケがいる場所によっては

何もいないように見えるのですが、

角度を変えて見ると・・・

 

 

見つけることができます。

 

少々探すのに苦労するかもしれませんが

アオボッケの展示は相当レアですよ!

 

この機会にぜひ「旬のおいし槽」を覗いてみてくださいね。

【魚類飼育課 高橋】

 

「北と南にすむ魚たち」⑪水槽で

サザエの展示を開始しました!

北海道ではあまりなじみのない貝ですので、

どさんこの私はちょっと新鮮に感じます。

 

お客様にサザエをご覧いただくのを目的としていますが、

岩のコケを食べて、水槽の掃除に一役かってくれたらなぁ・・・

なんて よこしまな考えもあったりなかったり・・・

 

 

あ!

すごい!

サザエが通ったあとは、岩のコケがキレイになくなっています!

 

これは水槽がどんどんキレイになりますね。

 

明日はさらにキレイになっているのかな?

楽しみです!!

【魚類飼育課 高橋】

 

「旬のおいし槽」では、6月16日に小樽で解禁になった

 

「マナマコ」

 

を展示しています!

そして、地元の漁師さんより変わった「マナマコ」

ナマコの仲間「キンコ」を頂きましたので、

本日(7月1日)より展示を開始しました。

 

それがこちら!

マナマコ

キンコ

 

どちらも白い!

 

これらはアルビノと呼ばれ、

皮ふや眼などの体の色を決めるメラニン色素が全くないか、

その量が極端に少ない個体です。

 

目立つので、外敵に見つかりやすいこともあり

大きく育つことは少ないと言われています。

 

頂いた漁師さんも

「初めて見た!」

とおっしゃるくらいレアな個体です。

 

ぜひ「旬のおいし槽」をのぞいてみてください!

【魚類飼育課 高橋】

 

今年もこの季節がやってきました!

小樽で解禁になった

おいしい海の幸

 

まずは

4月25日解禁の

シャコ

 

シャコは春と秋の2回

漁が解禁されます。

 

春のシャコは卵が熟していて

とても美味しいのです。

シャコ漁は6月20日までです。

 

 

そして

本日、

5月15日解禁の

ウニ漁

 

北海道では「ガンゼ」とも呼ばれる

エゾバウンウニ

北海道では「ノナ」とも呼ばれる

キタムラサキウニ

です。

 

ところでウニといえば

うに丼!

 

うに丼は

爽やかな季節に食べるイメージ

ではありませんか?

 

ウニの漁期は

8月末までですので

5~8月に流通します。

 

実際に

爽やかな季節に食べているんですよ。

 

 

そういえばウニの展示では

毎年恒例のディスプレイ

「折うに」用の

折!

今年も設置しています。

ウニたちは

「もしかして食われちまうのか?」

ディスプレイの折を見ながら

思っているかもしれませんね。

 

もちろん

水族館に搬入したウニは

食べませんのであしからず・・・

 

食べることはできませんが、

見るのは

本館1階「旬のおいし槽」です!

【魚類飼育課 高橋】