当館で飼育している眼が赤いアザラシについて、複数のお問い合わせをいただきました。
カモメなどの鳥からの攻撃を受けたことが原因と思われ、どうにか改善出来ないか、という内容のものでした。
当館で飼育している数頭のアザラシの眼球は、
ご指摘の通り赤かったり白っぽかったりしています。
これらは老齢性もしくは先天性の白内障の個体や、
野生個体で赤ちゃんの時に衰弱しカラスに眼をつつかれているところを
保護され水族館に運び込まれた個体です。
過去にカモメからの攻撃によってそうなった個体はおりません。
アザラシも人の白内障のような症状に至る場合がありますが、
外科的治療を含め、処置方法は確立されていません。
昨年5月に老衰で死亡したゼニガタアザラシ「トラ」も白内障にかかり、
おそらくほとんど見えなかったと思われますが、
食欲旺盛でほとんど病気にかかることもなく、
国内飼育最高齢の満46歳で息を引き取りました。
当館のアザラシ飼育プールは外洋とつながっており、
波も干満も、そして季節折々いろいろな生き物が出入りしている海そのものです。
そんな自然そのものの環境下で長生きしてくれた「トラ」たち。
眼が見えていない中でも逞しく生き抜く動物たちに多くの応援も頂きました。
今回ご指摘いただいたことは当館の発信不足でもあり、
捉え違いによるご迷惑をお掛けしたことは、お客様はじめ動物たちにも申し訳なく考えております。
今回の件を踏まえ、誤解を招かぬよう今後さらなる情報の発信を行って参ります。